ブルトン: |
あなたは、モーリス・バレスについて何を知っていますか。 |
ツァラ: |
何も知りません |
ブルトン: |
それでは何も証言することはないのですか。 |
ツァラ: |
あります。 |
ブルトン: |
それは何ですか。 |
ツァラ: |
モーリス・バレスは、私が文学的経験の中で出会った、一番感じの悪い男です。(中略) |
ブルトン: |
あなたは、同時代の誰か、またはまったく別の人物にたいして、尊敬の念を抱いたことがありますか。 |
ツァラ: |
いいえ。だってすべての人間はばか者(Idiot)ですから。(中略)バレス氏は、その人生の擁護しうる行為にも関らず、今世紀最大の豚野郎です。 |
ブルトン: |
モーリス・バレスのほかに、大豚野郎の名をあげることができますか。 |
ツァラ: |
はい。アンドレ・ブルトンです。 |
ブルトン: |
:証人は、まったくの白痴(Idiot)とみなされたいのか、それとも精神病院に入れられたいのか。 |
ツァラ: |
はい。私はまったくの白痴とみなされたいと思います。でも私が人生を過ごしているこの収容所から逃げ出したくはありません。(中略)私の言葉は、私のものではありません。私は、全ての人の言葉を持っていて、それらをよく混ぜ合わせて、ちょっとしたブイヤベースを作るのです。 |
ブルトン: |
結局、あなたは弁護側証人なのか。 |
ツァラ: |
そうです。バレスが低脳名ヨーロッパ世界の弁護側証人であるように。 |