ウォンテッドツァラ


なんと!!ここをあの大平具彦先生がご覧になって、探していた資料をなんとなんと貸して下さいました。
これらの資料の存在を知ったのが「トリスタン・ツァラ 言葉の四次元への越境者」だったので
ほんと嬉しいです。というわけでご紹介します。

ウォンテッドが解決したので、これからはここには、雑誌などで見つけた
ツァラ関連のものを載せていこうと思います。

Poétes Actuels "Tristan Tzara and Andre Breton"
(Paris, Production Disques Adés)

 

 すごくフランス人っぽい感じの声のおっちゃんがツァラの詩を読んでくれる。おっちゃんなので、若い頃の詩はちょっと無理がある感じ。でも「近似的人間」や晩年の詩は、あのツァラの独特のつぶやきっぽさがすごく情緒豊かに朗読されていて、すごく良い。フランス語の流れで聞くとやっぱりとても綺麗。
 このテープにはその後、そのおっちゃんとあと何人か(濱口明さん含む)の対談も入っていて、おっちゃんがすごくツァラについて熱く語っていて嬉しかったです。
La clé de l'Horizon "Musiques pour Tristan Tzara"
(Moinesti, L'Association Culturelle et Litterature"Tristan Tzara"de Moinesti 1998)

  





内容:
 
1.Roman VLAD: PICCOLO LAMBICCAMENTO PIANISTICO SUL NOME DI TRISTANTZARA
 2.Viorel MUNTEANU: INVOCAZIONI per clarinetto solo
 3.Doru POPOVICI: IN MEMORIAM TRISTAN TZARA.Op.
       CELLO SI PIAN / VIOLONCELLE ET PIANO
 4.Mihail VÎRTOSU: TRISTANTZARESQUE
 5.Tiffen LE MARTELOT; LA CHANSON D'UN DADAISTE
 6.Romeo COSMA: IMPROVISATIONS DADAISTES POUR                              TRISTAN TZARA
 7.Dan DEDIU: VARIATIONS SYNTAXIQUES ET STYLOSTIQUES pour soprano et piano
 8.Sabin PAUTZA: MOOD SWINGS / VIRÉES D'HUMEUR
 9.Adrian POP: SEPT FRAGMENTS DE TRISTAN TZARA
                       pour soprano et piano
 10.Felicia DONCEANU: DÉCALCOMANIES D'APRÈS
  TRISTAN TZARA. Théâtre instrumental à jouer à .... quatre

コメント:
 まず曲名にことごとくTRISTAN TZARAって入ってるのが嬉しい。
曲調は、独特。ほんとに、現代音楽っていう感じ。でも想像していたよりも綺麗で、音楽だというのが分かる感じでした。当時のアヴァンギャルドはきっとこんな感じだったんだろうな、と思わせる曲調。今またツァラへのオマージュとしてこういうCDを作るとしたら、もっと電子音とか雑音、騒音でヤバイものになりそう。でもほんと独特の、不思議なムードが漂っていて、ツァラのことを考えて作ったんだなーという感じです。私のツァラ観とはまた違った見方の音楽もあって、興味深いです。あとツァラの色んな面も色々と表現されていて、否定的だったり、お茶目だったり、詩的だったり、いろいろなツァラが楽しめます。
 CHANSON DADAは色々な人の声を使ってあって、面白かった。
T.Stoppard "Travesties"
(Farberd Farber, London)

  

ツァラが出てくる戯曲。ツァラとレーニンと、ヘンリー・カール、ジェイムス・ジョイス、などが出てくる。ちょっと読んだ感じ、ツァラがかなりお茶目さんで最高。ていうか全員お茶目さん。戯曲、という感じ。
まださわりまでしか読んでないけど、ツァラがダダの詩っぽいドイツ語のなにか(多分意味がない)を叫んで「シー!」とたしなめられたりしてて面白い。
色々な国籍の人が出てきて、色々な言語が飛び交ってかなり面白そう。また読んだらあらすじをアップします。もし出来たら訳もアップしたいと思います。

■FUTURISM&DADA REVIEWED
( MADE IN AUSTRIA
 Executive Producer-James Neiss)






未来派とダダの詩の朗読が聴けます。

1.LUIGI RUSSOLO: "Risveglio di una Citta"
2.ANTONIO RUSSOLO: "Chorale"
3.FT MARINETTI: "Sintesi Musicali Futuristiche"
4.ANTONIO RUSSOLO: "Serenata"
5.FT MARINETTI: "La Battaglia di Adrianopoli"
6.FT MARINETTI: "Definizione di Futurismo"
7.LUIGI GRANDI: "Cavalli + Acciaio"
8.WYNDHAM LEWIS: "End of Enemy Interlude"
9.GUILLAUME APOLLINAIRE: "Le Pont Mirabeau"
10.T.TZARA/M.JANCO/R.Huelsenbeck
  "L'Amiral Cherche Une Maison à Louer"
11.MARCEL DUCHAMP: "La Mariée Mise à Nu...Meme"
  RICHARD HUELSENBECK: "Inventing Dada"
  TRISTAN TZARA: "Dada Into Surrealism"
12.KURT SCHWITTERS: "Die Sonate In Urlauten"
13.JEAN COCTEAU: "La Toison d'Or"
14.JEAN COCTEAU: "Les Voleurs d'Enfants"
15.MARCEL DUCHAMP: "La Mariée Mise à Nu... Meme"


10番「L'Amiral Cherche Une Maison à Louer(提督は貸家を探してる)」はツァラとヒュルゼンベックとアルプにより、キャバレー・ヴォルテールで朗読された、同時詩の最初の作品です。このCDには本人による朗読と書いてありますが、フランス語を朗読しているのが女性なのと、音質の良さからおそらく後年になって再演されたものだと思われます。(実際は確かツァラがフランス語、アルプが英語、ヒュルゼンベックがドイツ語を朗読しました。)でもダダの詩の雰囲気がとても伝わります。かっこいいです。11番ではデュシャンの音楽をバックに、ヒュルゼンベックとツァラの声を聴くことができます。ヒュルゼンベックのドイツ語っぽい硬質な英語はとても魅力的。そしてツァラの声も聴けます!晩年らしくルーマニア訛りは殆どなく、流暢なやわらかいフランス語です。vingtのtを発音したりとか、たまに訛りが聞こえてそこも嬉しい。「ダダはモダンではありません…」のインタビューです。

メイド・イン・オーストリアなので皆さんオーストリアに行かれたら是非ゲットです!




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